水の衛生管理に欠かせない次亜塩素ナトリウム(以後「塩素」)
濃度が上がらない・上がりにくいとお困りではないでしょうか?
[temp id=2]そのようなときにまずはこの記事を確認してください。
その前にまずは塩素の注入システムを説明します。
結論を早く知りたい方は目次からギューン!と飛んじゃって下さい。
塩素注入は薬液注入ポンプで
まず、塩素の入れ方には2パターンあります。
- 手で直接投入する方法(固形・粉末・液体)
- 薬液注入ポンプで機械的に注入する方法(タイマー制御・自動塩素管理制御)
現在は薬液注入ポンプで自動注入されていいるところが多く、濃度が上がらない・上がりにくいというお悩みなので薬液注入ポンプの場合で説明します。
手で直接投入する方法のところでも共通するところはあるので参考にして頂ければと思います。
どういう仕組みで塩素を入れているの?
薬液注入ポンプはダイヤフラムという円型の部品を前後に動作させて塩素を注入しています。
電磁式とモーター式がありますが基本はダイヤフラムの前後で薬液タンクから塩素を吸ってきて吐出をします。
その後は透明で糸が織り込まれているブレードホースというものを通りサイホン阻止弁という部品を経由して点滴注入されます。
塩素濃度が上がらない・上がりにくい原因は?
私が実際に現場で経験したことを元に書かせていただきます。
- 薬液注入ポンプのガスロック(エア噛み)
- サイホン阻止弁の詰まり
- ブレードホースの詰まり
- サクション側(吸い込み側)のストレーナの詰まり
- 薬液注入ポンプ部品の詰まり
- 薬液注入ポンプ部品の劣化(ゴム部品等)
- ろ材(砂・フィルターカートリッジ)の詰まりや汚れ
- 水のPH値がアルカリ性。(温泉の場合はアルカリ性の泉質)
- 薬液注入ポンプのタイマー不良
- 自動塩素濃度制御の場合は自動塩素濃度管理装置不良
上記が考えられます。
特に1・2・3はよくありますので真っ先に確認した方が良いです。
表を見て気づくと思いますが「詰まり」が多いですよね。
そうです、この詰まりの原因とも言える塩素スケール(固形化)が悪さをしています。
そのため、このスケールを除去してあげれば解消されることが多いですね。
この詰まりが起こりづらくなるサイホン阻止弁もありますよ。
こういうノズル先端に部品がついているものだと塩素スケールがつきにくくなりますのでおすすめです。
簡単に除去するための方法も記事にしましたので下記を参考にして下さい。
【時短技!使わないと損!】塩素スケールの除去と詰まり解消にはサンポールがオススメ!
1.薬液注入ポンプのガスロック(エア噛み)
塩素注入不良で一番良く起こるトラブルが、このガスロックです。
塩素は暑い場所でガス化しやすいため、暑い機械室だとよく起こる。
解消するには、薬液注入ポンプのエア抜き弁を開放する必要があります。
これで解消されない場合は、薬液注入ポンプの吐出側のブレードホースを外した状態で運転してあげれば解消されます。
ここで一点注意しないといけないことは、薬液注入ポンプの吐出口から塩素が飛び出してくるので不要な布やタオルで飛び散りを防ぎながら実施。
塩素が目に入ると危険なので気をつけて実施して下さいね。
2.サイホン阻止弁の詰まり
配管に接続する塩素を注入するための部品です。
こんな形をしています。
サイホン阻止弁のノズル部に塩素スケールが発生して閉塞してしまうことがあります。
こんな感じです。
除去するにはサンポールを使うと効果的。
泡立って反応しているのがわかりますね。
これで簡単に除去可能。
詳細は下記記事でも解説しているのでよければ是非。
参考記事 【時短技!使わないと損!】塩素スケールの除去と詰まり解消にはサンポールがオススメ!
3.ブレードホース内の詰まり
塩素の通り道となるブレードホース内にも塩素スケールが付着して流れを邪魔したり閉塞したりということがあります。
解決方法は、ブレードホースを新品と替えて下さい。
4.吸い込み側ストレーナの詰まり
薬液注入ポンプの吸い込み側ストレーナが塩素スケールにより詰まってしまっている場合。
解決法はサンポールに漬けて塩素スケールを除去して下さい。
参考記事 【時短技!使わないと損!】塩素スケールの除去と詰まり解消にはサンポールがオススメ!
5.薬液注入ポンプ部品の塩素スケール詰まり
6.薬液注入ポンプ部品の劣化不良
薬液注入ポンプの内部部品内に塩素スケールが付着して閉塞してしまうことがあります。
解決方法はサンポールでのスケール除去です。
参考記事 【時短技!使わないと損!】塩素スケールの除去と詰まり解消にはサンポールがオススメ!
また、内部部品にはゴムを使用したものもあり経年使用したものは劣化してきます。
解決方法は、部品の交換が必要になります。
7.ろ材(濾過砂、カートリッジフィルター)の詰まりや汚れ
濾過砂や
フィルターカートリッジの汚れも塩素濃度が上がりにくくなる原因の一つです。
解決方法は
というのが必要になります。
8.水のPH値がアルカリ性
温泉でよくみられますが、PH値が9以上あるような水質では塩素濃度が上がりにくくなります。
モノクロラミン消毒という方法もあるため併用してみるといいです。
参考記事 【簡単に実施出来る】レジオネラ属菌対策にはモノクロラミン消毒!特徴とやり方を徹底解説
9.薬液注入ポンプのタイマー不良
薬液注入ポンプを動作させているタイマーが故障していて動作自体されていないパターンです。
解決方法はタイマー交換です。
10.自動塩素管理装置の故障(設置してあるところのみ)
自動塩素管理装置を使っているところは装置故障の可能性があります。
解決方法は業者さんに修理してもらうこと。