なんらかの事情で浴槽・プールの営業を一定期間中止しなくてはいけなくなる
ということが起きるかもしれません。
そういうときに
- 「使用しなくなったら濾過機はどうすればいいの?」
- 「ずっと止めておいて大丈夫?」
- 「次に使い始めるときはすぐに使える?」
という疑問が出てくると思います。
結論から言うと、停止期間によって
「ろ過機を稼働し続けた方がいい場合」と「ろ過機を停止した方がいい場合」
があります。
この記事では、上記に加えて停止後再始動する時の注意点と対策も説明をしていく。
私は北の大地で10年以上濾過機会社に勤めており
様々な現場経験をしているため、それを元にしてわかりやすく説明していきます。
使用中止する期間とのろ過機の状態
使用中止にする期間が短ければろ過機は動かしておいた方がいいです。
逆に期間が長ければろ過機を停止しておいた方がいいと考えます。
なぜ中止期間が短ければ、ろ過機は動かしておいた方がいいのか
理由は、停止すると水質が悪化するからです。
短い中止期間とは大体目安で1カ月以内を指します。
基本的に水は動かずに静止している状態だと日を追うごとに雑菌が増殖し、水質が悪化していく。
水質の悪化を防ぐために塩素を水の中に入れて殺菌しています。
ここで、
「じゃあ塩素を直接浴槽・プール水槽に入れておけばろ過機止めといてもいいんじゃない?」
と思う人がいるかもしれません。
塩素はただ入れているだけでは時間経過と共に濃度が薄くなっていってしまいます。
そのため、連続もしくは断続的でもいいので塩素を入れ続けなければいけません。
また、水自体を動かして(流れを作る)あげないと塩素が装置内等にいき渡らなくなりそこでも水質が悪化します。
中止中は人が入ることはないと思うので、節約のために温度制御は切っておくのを忘れないで下さい。
なぜ中止期間が長ければ、ろ過機は停止しておいた方がいいのか
理由は光熱費がもったいないからです。
長い中止期間は、どのくらいかと言うと1カ月以上。
1カ月以上動かしっぱなしはコスト的にもなかなか厳しいと思います。
濾過機を停止する時の注意点ですが、装置内や循環配管内の水は抜いて下さい。
なぜかと言うと、時間が経過すると残った分の水質がどんどんが悪くなり雑菌増殖の原因となります。
濾過タンクの上蓋等、開けれるところはすべて開けて乾燥させておくと、なお効果的。
再び使用する場合の注意点と対応(浴槽の場合)
再び浴槽利用する時に、濾過機を再稼働する前に注意点があります。
停止時に水抜きをしていても完全には抜けていないところも出てくるので再稼働前にきちんと殺菌対策をしなければいけません。
詳細は下記記事で説明しているため参考にしてください。
再び使用する場合の注意点と対応(プールの場合)
基本的に上記浴槽の場合と同じですが、プールで薬品による配管洗浄は水量が多いため難しいです。
対応策は塩素濃度を1~1.5ppm程度に維持して1日程度循環させてから水質検査を実施すればいいです。
実際、北海道では小学校の水泳プールはシーズン終了後(9月位)に装置内の水抜きをします。
これは、冬季間の凍結による配管や機器の破損を防ぐためです。
冬が終わりシーズン開始(6月末位)には特に配管洗浄は実施しません。
水質検査が合格であれば授業開始になります。