こんな悩みが解消します。
- レジオネラ属菌ってなに?
- レジオネラ属菌の予防方法が知りたい
- レジオネラ属菌が出てしまった時の対処法を知りたい
という疑問に私、ロカキヤが初心者でもわかりやすく解説していきます。
- 水処理業界で14年以上在籍
- 取得資格:2級管工事施工管理技士、第2種電気工事士
- ろ過機器の設計から保守点検まで幅広く経験
- 仕事で得た知識をわかりやすく解説するのが得意
レジオネラ属菌は日常生活で関わることがありません。
初めて聞く人にとってはちんぷんかんぷんではないかと思います。
いざネットで検索しようとしても情報がまとまっていないので調べるのも大変ではないでしょうか?
ボクもあれどうだったけな~と調べることがあるのですが毎回骨が折れます。
そこで、普段の業務で忙しい管理者に情報をまとめれば便利だと思いこの記事を作りました。
時間の節約のために使ってください。
参考になる人
- 銭湯、スーパー銭湯の入浴施設の管理者
- 老健施設の入浴管理者
- 温泉施設等の入浴施設管理者
- スポーツクラブの入浴管理者
レジオネラ症の被害にあわないためにこの記事が役に立てば嬉しいです。
- レジオネラ属菌についての知識をまとめて読める
- 実際の現場で使える知識が知れる
- レジオネラ属菌が万が一出てしまった場合にも落ち着いて対処出来る
レジオネラ属菌は自然界に生息していて、水中で増殖して人へ感染します。
レジオネラ属菌に感染すると「レジオネラ肺炎」が発症する。
適切な治療を行わないと命に関わることもあります。
レジオネラ属菌で汚染された水を吸い込むことで感染する。
生物膜(ぬめり)内は塩素の効果が弱くなるため、定期的な生物膜の除去をする必要があります。
機器や配管内は手が届かないので、高圧洗浄機や配管洗浄剤を利用します。
高齢者や子供といった抵抗力が弱い人がかかりやすいため特に注意です。
レジオネラ症やレジオネラ属菌についての詳細はこちら
→【厚生労働省の情報を要点まとめで解説】レジオネラ症・レジオネラ属菌とは
- ろ過装置と循環配管内は週1回高濃度の塩素循環で消毒
- 砂濾過の場合は逆洗洗浄作業を週1回実施
- ヘアキャッチャは毎日清掃
- 塩素濃度は0.4~1.0ppmに維持する
- 塩素濃度管理記録は3年以上保管する
- 循環配管洗浄は年1回実施
他にもアルカリ性の泉質の場合は塩素以外の殺菌方法も併用する(オゾン殺菌やモノクロラミン消毒)
モノクロラミン消毒についてはこちら
→【簡単に実施出来る】レジオネラ属菌対策にはモノクロラミン消毒!特徴とやり方を徹底解説
塩素とろ過機の管理方法の詳細はこちら
→【初めて管理する方へ】浴槽塩素・濾過機の管理要領についてわかりやすく説明します【2021年最新版】
- 塩素濃度を上げたい場合に入れる塩素の量
- 塩素の濃度を下げたいときに入れる中和剤の量
それぞれ計算式を利用して出せるけど下記計算フォームを使えば面倒なことはしなくてOKです。
スマホでブックマークしておいてもらえれば時間の節約になります。
業務の効率化のために!
必要塩素量を自動で計算してくれるフォームはこちら→計算フォーム
残留塩素濃度の測定は簡単な方がいいですよね?
そして、安く手に入ればさらに良し!
ということで浴槽やプールの塩素濃度測定にはアナログ式の測定器をおすすめします。
使い方は簡単!
測定器セット内容
採水して
試薬を入れて
色の変化で比色測定します。
めちゃ簡単。
小数点第二の数値も正確に測定したい場合はデジタル式の方をおすすめ。
お風呂やプールであればアナログ式で問題なし!
さらに詳しく知りたい方は下記記事で解説しています。
参考記事 【コスパ最高のアナログ式!】お風呂・プールの残留塩素濃度はDPD法の測定器で測定する。
現在、塩素の管理をする上で欠かせない塩素注入ポンプ。
固形や粉末の塩素を使用しているというところもありますが
現状、塩素注入ポンプで浴槽循環配管に点滴注入する方法が一般的です。
塩素注入ポンプを使うメリット
- 細かな濃度調整が可能
- 入浴者がいても塩素を注入可能
塩素注入ポンプといっても色々なメーカーが出していますが
老舗の大手2社からお好みに合わせて選ぶのがいいです。
結論を書いちゃいます。
これだけです。
迷ったらこの2社から選べば間違いなし。
詳しくは下記記事で解説しています。
参考記事 【この2択でOK】浴槽・プール向け塩素注入ポンプは「品質のタクミナ」か「コスパのイワキ」を選ぶべき!【現役ろ過機屋が解説】
自動塩素管理装置で楽して業務効率化
塩素注入ポンプでの塩素管理ではある程度の経験則が必要になります。
入浴人数や気温、天気によって塩素の消費量が一定ではないためです。
こまめに塩素濃度を測定して塩素注入量は覚えていくもの。
とはいえ、日常の業務で多忙な方は細かな調整が負担になっていると思います。
面倒な塩素管理を簡略化してくれるのが自動塩素管理装置なんです。
目標濃度を設定しておけば自動的に塩素注入ポンプのONOFFを切り替えてくれます。
そのため
- 入浴者に応じて注入量の調節する必要なし
- 熟練管理人がいらないので人件費が削減出来る
- 引き継ぎ業務も楽になる
その一方デメリットもあります。
ズバリ!お金です。
設置費用も含めると50~70万はかかるかなという感じです。
その他、メンテナンス費用や消耗部品の交換費用等が別途かかってきます。
ただ、導入すると日常の塩素管理が格段に楽になるので人経費の削減や業務の効率化を考えると検討の余地はあるのではないでしょうか?
- 薬液注入ポンプのガスロック(エア噛み)
- サイホン阻止弁の詰まり
- ブレードホースの詰まり
- サクション側(吸い込み側)のストレーナの詰まり
- 薬液注入ポンプ部品の詰まり
- 薬液注入ポンプ部品の劣化(ゴム部品等)
- ろ材(砂・フィルターカートリッジ)の詰まりや汚れ
- 水のPH値がアルカリ性。(温泉の場合はアルカリ性の泉質)
- 薬液注入ポンプのタイマー不良
- 自動塩素濃度制御の場合は自動塩素濃度管理装置不良
塩素注入不良でよくある原因は「塩素スケールによる固着」です。
塩素スケールはサンポールで除去が可能です。
詳細はこちら→【時短技!使わないと損!】塩素スケールの除去と詰まり解消にはサンポールがオススメ!
塩素スケールは希釈する水の水質によってスケールしやすいかどうかが分かれる。
そのため、希釈倍率を低くする(水の量を少なくする)と塩素スケール化しにくい事例があります。
詳細はこちら→[塩素スケールの固着・詰まりで悩んでいる方へ]塩素の希釈倍率を低くすると効果的!
レジオネラ属菌が浴槽内で増殖していないかを定期的に検査しなければいけません。
検査頻度は年2回以上(濾過機使用箇所)
検査場所は全国の薬剤師会や民間の検査機関でも出来ます。
検査方法は検査採水容器を借りてきて浴槽水を採水して持ち込む。
レジオネラ属菌検査用の採水容器です。
レジオネラ属菌の検査結果が出るまで約1週間かかります。
価格は10,000円前後(検査機関による)
検査合格基準値は「10CFU/100ml未満」
検査方法や頻度等詳細はこちら
→【現役ろ過機屋が解説】レジオネラ属菌検査のやり方・頻度・検査が出来るところについて解説
アルカリ性の泉質の温泉では塩素濃度が上がりにくいという悩みがあると思います。
そこで、アルカリ性の温泉水の消毒に非常に効果的なのがモノクロラミン消毒です。
塩素との併用でレジオネラ属菌対策がより効果的になります。
モノクロラミン消毒は「フリップフラップ」という製品が使いやすいです。
A剤とB剤に分かれていて浴槽に入れて溶かすだけ。
中和も排水も必要なしでそのまま入浴出来ます。
- 塩素消毒の目的→レジオネラ属菌の活動を止める
- モノクロラミン消毒の目的
→レジオネラ属菌の巣窟であるアメーバの活動を止める(増殖出来なくなる)
それぞれ、効果が違うので併用して使用するのが一番効果的。
もちろんアルカリ性でなくても予防効果があります。
何故アメーバの活動を止めるとレジオネラ菌が増殖出来なくなるのか?といった詳細解説は下記記事でしています。
参考記事 【簡単に実施出来る】レジオネラ属菌対策にはモノクロラミン消毒!特徴とやり方を徹底解説
色々対策はしているけどレジオネラ属菌が出てしまった場合どうすればいいか。
まず初めに、適切な対策をしていてもレジオネラ属菌が出てしまうことはあります。
焦らずに、まずは管轄の保健所へ報告です。
そして、止む得えない場合を除いて、浴槽の使用を中止して下さい。
その後は、レジオネラ属菌の除去が必要。
濾過循環配管とろ過装置の洗浄が必要になりますが下記のような方法があります。
- 過酸化水素にて洗浄
→危険物のため資格が必要になるため専門業者での実施が一般的です。 - 上記以外の薬剤にて洗浄
→資格が必要ない薬品もあるため自分達でも実施が可能です。
参考記事 [実際の作業写真で解説]レジオハンターパイプフィニッシュ2での配管洗浄のやり方 - 高圧洗浄機等で配管内を洗浄
→ノズルが入らないところは洗浄不足になるためあまりおすすめしません。
さらに、洗浄後に高濃度塩素殺菌も併せて実施すると効果的です。
詳細は下記記事で解説しています。
参考記事 [現役ろ過機屋が解説]レジオネラ属菌が出た場合の対処の流れと対策法
ここまでは大人数が入る浴槽向けに解説してきました。
皆さんのご家庭のお風呂は追い焚き式でしょうか?
その場合、追い焚き循環の配管内にもレジオネラ属菌がいます。
小さいお子さんや年配者がいるご家庭では特に注意が必要。
対策法は
- 市販の薬剤で洗浄
- 専門業者さんにお願いする
のどちらかの実施をおすすめします。
正確性を求めるのであればいつも作業をしている
専門業者さんにお願いするのがおすすめです。
詳細は下記の記事で解説しています。
参考記事 【濾過機屋歴14年が解説】自宅の追い焚き式風呂の配管洗浄はやるべき!【大切な人を守るために】
小さなお子さんがいる家庭では夏場に活躍するのはビニールプールではないでしょうか。
子どもたちも喜んでバシャバシャと激しく遊ぶと思います。
天気のいい日に使うと思います。
こういう環境はレジオネラ属菌が繁殖しやすいです。
1~2人で使用して使用後すぐに排水する場合は水道水に含まれている塩素があるので
塩素消毒の必要性は少ない。
ただ、
- 3人以上の大人数で集まり遊ぶ場合
- 使用後排水せずに何日も使い回す場合
このような場合は感染リスクが高まるため塩素を入れて消毒が必要です
詳細は下記記事で解説しています。